研究課題/領域番号 |
18H01553
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
谷口 綾子 筑波大学, システム情報系, 教授 (80422195)
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研究分担者 |
中原 慎二 神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 教授 (40265658)
藤原 章正 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 教授 (50181409)
中村 文彦 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (70217892)
Schmoecker J.D. 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70467017)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | モビリティ・マネジメント / コミュニティバス / 電動キックボード / 公共交通利用促進 |
研究実績の概要 |
2020年度は,新型コロナウィルス感染症の影響で,海外渡航や調査が制限されたため,その予算で2022年度,広島においてJICAや分担研究者を交えた研究会を開催し,議論を行った.また,ASEAN諸国におけるモビリティ・マネジメント実施に援用可能な知見を得るため,1)公共交通が成立しない過疎地,山間地などにおける互助型輸送サービス導入のプロセス分析,2)民間路線バスが撤退した都市,小山市におけるコミュニティバスの利用促進モビリティマネジメント実施と効果計測,を行った.1)はインタビュー調査,文献調査により過疎地や山間地のモビリティ確保に向けた組織づくりや行政の支援体制について取りまとめた.2)では,コミュニティバスの定期券とタクシー初乗り料金の減免を組み合わせた取り組みの実施プロセスとその効果を定量的・定性的に分析した. さらに,欧米諸都市で課題となっている電動キックボードシェアリングシステムを,都市交通システムにどのように位置づけるべきか,ASEAN諸都市に導入された場合のコンフリクトを想定して,東京都区部の住民と来訪者を対象としたアンケート調査を実施し,分析を行った.現状では電動キックボード利用者は,未経験者よりも自転車のルールを熟知していない傾向があること,若年層や中年層,男性で高学歴な人がファン・ライドとして電動キックボードを利用している傾向などが示され,今後,過度な自動車利用を抑制するモビリティ・マネジメント実施の基礎資料とする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍によりASEAN諸国における調査実験は困難であったが,国内においてASEAN諸国の交通課題にも応用可能な調査分析を行うことができた.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度よりコロナ禍による渡航制限等が大幅に緩和されたことから,これまでに本研究課題の調査分析より得られた知見を応用し,JICAとも連携して途上国の交通問題緩和につなげる予定である.
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