研究課題/領域番号 |
18H01555
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
兵藤 哲朗 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (40218748)
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研究分担者 |
渡部 大輔 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (30435771)
金森 亮 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任准教授 (40509171)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ダブル連結トラック / 物流 / 道路交通 |
研究実績の概要 |
2019年度は,2018年度に取得したデータについて,加速度成分を細かく分離した分析を行った.その結果,右左折行動とトラクターおよびトレーラー加速度の関係性を明らかにすることができた.これより,ダブル連結トラック走行時の安定性や,荷物に与える影響などを考察することができた.また,道路地図情報(GIS)を用いて,高速道路上の高加速度の発生地点に関する分析も行った.これより,ある程度,道路構造がダブル連結トラックのトレーラーおよびトラクターに与える影響についても考察することができた. さらに,ダブル連結トラックの切り離し運行を行っている西濃運輸の本社や,ヤマト運輸の厚木ゲートウェー,そしてダブル連結トラックのボディを製造している日本トレクスの現場視察を行い,研究の基礎となる重要な知見を得ることもできた.特に西濃運輸とヤマト運輸については,トラクターとトレーラーの切り離し・連結の実際の現場を見学することで,連結作業の負荷を体感することができた.またダブル連結トラックに早い段階から取り組んできた日本梱包社へのヒアリングも行い,特にドライバー教育面の重要性を認識することもできた. 学術論文としては,2018年度の研究成果を,交通工学論文集の審査付き論文として投稿し(「ダブル連結トラックの運行特性とドライバーのストレスに関する研究」相馬大, 兵藤哲朗,交通工学論文集,2020年6巻2号,p.A_23-A_30)掲載されたことから,一定の研究成果を還元することができたと考える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は2019年度に取得する予定であったデータが,2018年度に取得できたことから余裕を持って分析を進めることができている.特に,心拍,緯度経度,加速度という3種類のデータを統合し,ハイブリッドな解析が可能な環境が整っている.今年度は,さらに分析を深化させ,研究成果も海外で公表することを予定していた.しかし新型コロナの影響で,2020年10月開催予定だった国際会議(16th International Symposium on Heavy Vehicle Transportation Technology at Qingdao)は来年に延期されたため,本研究期間中の発表は不可能となった.現在,他の国際会議の開催状況を調査中である.
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今後の研究の推進方策 |
ダブル連結トラックは,研究開始当初よりも,予想を超えてその数が増えつつある.また,同業他社間のトレーラー・トラクター共同利用も,開始から1年が経過し,現実の世界の変化速度の速さに驚いている.それ故,現実世界の動向を正確に見極めた研究の方向性の修正が不可欠である.可能であれば,共同運行におけるトラクター・トレーラーの運行実績から,最適なダブル連結トラック運行のあり方について分析を試みることが想定される.
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