| 研究課題/領域番号 |
18H01570
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| 研究機関 | 大阪大学 |
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研究代表者 |
池 道彦 大阪大学, 工学研究科, 教授 (40222856)
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| 研究分担者 |
井上 大介 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (70448091)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 下水処理場 / 余剰汚泥 / 産業排水 / 化成品生産 / バイオマス循環拠点化 |
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| 研究実績の概要 |
本研究では、下水処理場において、余剰汚泥をバイオ触媒として用い、産業排水等の地域バイオマスを原料として市場価値の高い化成品を製造できるプロセスを確立し、バイオマス資源拠点としてのポテンシャルを飛躍的に高めることを構想しており、その実現の核となる技術として、余剰汚泥を用い、多様な有機物から、化成品として利用可能な細胞内貯蔵物質や細胞外ポリマーを高効率に精算するプロセスを実験的に検討することを目的としている。
令和２年度には、課題２『排水・廃棄物を基質に用いた化成品生産技術の確立』について、①酢酸を基質に用いてポリヒドロキシアルカン酸（PHA）生産性を高めた汚泥微生物群集の各種基質からのPHA生産能力の評価、②糖類（グルコース）を基質に用いたPHA生産微生物群の優占化・活性化方法に関する検討、③複合微生物群集からのPHA抽出・精製技術に関する検討を各々進めた。
①の検討では、酢酸を基質に用いてPHA生産性を高めた汚泥微生物群集は、他の脂肪酸やエタノールからも効率的にPHAを生産できるが、グルコース等の糖類からのPHA生産には適さないことが明らかとなった。②の検討では、適切な運転制御により。グルコースを基質に用いて約1週間で余剰汚泥の細胞内貯蔵物質蓄積能をかなり高めることが可能であることが見出された。また、グルコースを基質とする場合、PHAよりもグリコーゲンの蓄積が優占的に生じるが、培養時間等の条件調整によりグリコーゲンとPHAの比率が変わる等の知見を得ることができた。さらに、③の検討では、前年度までに有望なPHA回収法として選定されたクロロホルム抽出、NaOH溶解、超音波破砕について、最適な処理条件を決定することができた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和２年度までの検討により、酢酸を基質に用いてPHA生産性を高めた汚泥微生物群集を用い、産業排水・廃棄物中に含まれると想定される主要な有機物からのPHA蓄積能を明らかにし、産業排水・廃棄物からのPHA生産の可能性について一定の知見を得ることができた。また、グルコースを用いた検討から、酢酸を用いて既に確立しているPHA蓄積微生物迅速集積法の利用可能な基質範囲の拡張についても一定の可能性を示すことができた。さらに、複合微生物群集からの実用的なPHA抽出・精製技術の確立に向けても順調に成果をあげることができている。予定したすべての検討について一定の成果が得られており、順調に進展していると判断している。
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| 今後の研究の推進方策 |
現在のところ問題なく進展しており、研究計画について特段の変更等は必要ないことから、当初計画の通りに研究を推進していく。また、研究成果の積極的な公表も進めていく予定である。
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