研究課題
本研究では,角形鋼管柱とH形鋼梁で構成される鋼構造ラーメン構造について,多方向入力を受ける床スラブ付き立体柱梁部分架構を対象に,架構全体および柱・梁・パネル・床スラブそれぞれの3次元弾塑性挙動,柱梁接合部近傍における応力伝達機構,剛性ならびに耐力・塑性変形能力などの終局限界性能を解明することを目的としている.3年目は,床スラブ付き隅柱梁部分架構の載荷実験を実施すると共に,応力伝達機構に関する有限要素解析を実施した.載荷実験では,架構形状(隅柱,側柱),床スラブの有無,載荷方向(0・45・135度)をパラメータとした.実験結果から次の知見が得られた.[1]梁の破断時期は,床スラブが取付くことで早まり,載荷方向が0度から45度方向に変化することで遅くなった.[2]一構面に投影した架構の耐力は,架構形状が側柱梁架構から隅柱梁架構に変化することで減少し,隅柱梁架構では載荷方向0度>45度>135度の順に耐力が減少した.数値解析では,実験結果に基づいて延性破断発生条件を同定し,梁端接合部のスカラップ底からの破断によって限界づけられる梁の変形性能を検討した.解析結果から次の知見が得られた.[1]パネル梁耐力比が小さい場合の方が,スカラップ底の歪が増大した.[2]パネル梁耐力比が小さい場合の方が,スカラップ底からの破断時期が早まり,梁が保有する変形性能は低下した.[3]パネル梁耐力比が小さい場合の方が,パネルおよび柱の変形負担割合が大きくなり,梁に要求される変形性能が低下した.
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Constructional Steel Research
巻: 168 ページ: 105880~105880
10.1016/j.jcsr.2019.105880