研究課題/領域番号 |
18H01594
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
佐古井 智紀 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (70371044)
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研究分担者 |
藏澄 美仁 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (70244291)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 温熱環境 / 空気環境 / 快適性 / 熱移動 |
研究実績の概要 |
この研究は、同一の環境において、大人と子供で、温熱、空気環境に差異があるか、あるとするとどの程度かを定量的に解明することを目的としている。 令和元年度は、これまでに前年度までに全身形状の設計を終えた子供サーマルマネキンのひざ関節を見直し、膝を回転関節とすることで椅座時にも立位持にも、外界に触れる全表面を発熱・温度計測面とする設計に修正した。前年度までに作成を終えた両上肢と頭以外の全身の部位を3Dプロッタで打ち出し、全部位を連結して全身25部位の子供サーマルマネキンを完成させた。乳児サーマルマネキンについては設計、3Dプロッタでの打ち出し、身体の小ささのため連結が出来ていない状況であるが、全身部位を試作した。大人サーマルマネキンについては胴部の形状設計までを終えた。 子供の全身サーマルマネキンを用いて、一様環境の人工気候室内で周期制御計測を行った。高さが高い部位ほど人工気候室の気温と比べて作用温度が高くなった。また、周期制御で決定された総合熱伝達率は、環境温度を気温で一様として既存手法で決定される総合熱伝達より若干大きくなった。いずれも自然対流の影響として説明できる結果で、既存手法で決定される総合熱伝達率は、流れの上流に当たる部位の発熱による空気の加温の影響を表現できないことが分かった。ただし作成した子供サーマルマネキンの胴と腕、腰と脚の間の関節について、使用したバネの強度が弱過ぎ、胴と腕、腰と脚の間をしっかり固定できていない問題も残った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、子供サーマルマネキンの開発を終え、また、大人サーマルマネキンの形状設計にも取り組んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は、令和元年度の、子供サーマルマネキン、幼児サーマルマネキンに見られた課題を解決するとともに全身の大人サーマルマネキンと乳児サーマルマネキンを完成させる。大人と子供、乳児のの比較実測を、特に自然対流に着目して進めていく方針ある。
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