研究課題/領域番号 |
18H01598
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
曽我 和弘 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (00336322)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 気候変動 / 波長別日射量 / 将来気象データ / 建築環境 / 全球 |
研究実績の概要 |
気候変動に適応できる建築・設備の計画支援を意図して、日本で5km、全球で20km領域毎に、紫外から近赤外の波長別日射量を含む全球の将来気象データを作成するため、次の課題に取組んだ。 1)紫外から近赤外までの波長別日射量の推定モデルの検討:350~1700nmの波長別日射量推定モデルに、紫外域と近赤外域のモデルを追加して、紫外から近赤外を含む波長別全天日射量と波長別天空日射量の推定モデルを開発するために、350~2550nmまでの波長別日射量の測定システムを構築した。また、全天候下の波長別日射量の連続測定を開始し、測定値を検証した。さらに、全天候下の水平面全天日射量から斜面の波長別日射量を計算する方法、可視域の波長別日射量から紫外域の波長別日射量を計算する方法を開発し、その信頼性を明らかにした。 2)日本の5km領域ごとの時別将来気象データの作成法の検討:日本の平均21km領域の時別将来気象データを5km領域のデータに変換する手法を検討した。変換には気象庁の長期再解析(DSJRA-55)と地球温暖化予測情報を活用した。KZフィルターを応用して、既開発の時別将来気象データの地点と、その周辺5km領域の長期再解析に含まれるバイアスを補正する手法を開発し、その有効性を明らかにした。また、KZフィルターを用いて、長期再解析のバイアス補正値と地球温暖化予測情報を合成して将来気象データを作成する手法を検討した。 3)全球の20km領域ごとの時別将来気象データの作成法の検討:気象庁の全球長期再解析(JRA-55)の時別6要素の気象データを、より高解像度の全球気候変動シナリオと合成し、20km領域の時別将来気象データに変換する手法を検討した。KZフィルターを応用して、全球気候変動シナリオの気候値の将来変化量を求め、これらの変化量を、全球長期再解析の時別気象データに統計的に合成する手法を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)近赤外域分光放射計を新規に導入して、既存の分光放射計と組み合わせることで、全天候下における350~2550nmまでの波長別日射量を連続測定可能な計測システムを構築し、その運用を開始できたこと、2)紫外域の波長別日射量の計算法を具体化できたこと、さらに、3)長期再解析に含まれるバイアスを補正する手法を開発し、その有効性を確認できたことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に従って、研究を進展させる。構築した分光放射計測システムを用いて、350~2550nmまでの波長別日射量の測定値を蓄積するとともに、その分析と検証を進め、波長別日射量の推定モデルの開発を具体化する。長期再解析と気候変動シナリオのバイアス補正の検討を継続し、将来気象データの作成法の信頼性を向上させる。
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