本研究は、晴天・曇天を問わず様々な天候下の波長別日射量を計算できる推定法を開発した。これは、300~2500nmに及ぶ広い波長域と、全天候の双方に適用可能な汎用性の高い推定法であり、日射の分光特性を考慮した気候変動下の建築環境評価の実現と高度化に貢献できる。また、気象観測網よりも高い空間解像度の長期再解析と気候変動シナリオを一体化する新たなアプローチによって、気象観測網よりも細密で、かつ過去・現在・将来の長期に及ぶ気象データを作成可能にする手法を開発した。これは、気候変動を考慮した既往の気象データの作成限界を打開するものであり、気候変動に適応可能な建築・設備の計画支援に貢献できる。
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