研究課題/領域番号 |
18H01609
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
松下 大輔 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (90372565)
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研究分担者 |
瀧澤 重志 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (40304133)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 屋内測位 / 行動計測 / センシング / 近距離無線通信 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
屋内測位システムを開発し実験室においてシステムの挙動、測位誤差、測位時間間隔、安定性などを実験により確認した。0.1m~0.3m程度の測位誤差で入居者の位置、立位、座位、臥位、転倒の姿勢を計測可能であることが明らかとなった。人体の直径を0.6m 程度とすると、本研究の目的に対して十分正確な位置が計測可能であった。特別養護老人ホームにおいて夜間夜勤帯(19時~翌7時)の見守りが必要な入居者居室にセンサーを設置し、2週間にわたり継続的に入居者の位置、姿勢を計測した。計測データを分析し時系列の行動同定を行った。行動計測とともに介護職員による訪室の時刻や内容の記録、介護職員へのアンケートおよびインタビューを行った。主に次のことが明らかとなった。 ・同時期の訪室記録と照合することにより、従来訪室だけでは捉え切れていなかった夜間の睡眠や徘徊を捉えられた。 ・入居者の位置・姿勢を継続的に把握することができる行動計測システムと、介護職員による訪室による状況把握を相補的に用いることで、夜間の閉ざされた個室内の行動をより正確に、負担を軽減しながら把握できる。 ・入居者の症状や行動に合わせて、入眠時や睡眠時は訪室を避け、徘徊時は転倒・放尿防止のために注意喚起するなどの介護が可能になると、介護の質、入居者の生活の質を向上させながら身体拘束を避け、負担を軽減することが期待される。 ・従来の高齢者見守り手法に対し、より有効に高齢者の生活の質の向上や介護業務の負担軽減に資することが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
協力を受けていた特別養護老人ホームの状況変化などで当初予定していた調査から方針の変更を行ったが継続的に研究を実施している。先方の負担を軽減してこちらの希望する調査が行えるよう測位システムの運用方法を調整している。
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今後の研究の推進方策 |
計測システムのソフトウェア開発を進めることにより、協力先の特別養護老人ホームの職員が容易に継続的に使用でき、負担を軽減して、有効なデータが計測可能な方法を構築する。
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