研究課題
本年度の数値解析では、2次元層流衝突ジェットについてさらに詳細な解析を実施し、前年度観察された3つの音波が、淀み点の圧力変動とプレートショック変形のカップリング、プレートショック下流剪断層における圧力振幅の増大、ショックセル内の衝撃波構造の周期的変化から生じていることを明らかにした。また、Large-Eddy Simulationの解析結果に解析パラメータが及ぼす影響を調べ、再現性のある解析結果を得るための方法を検討した。本年度の実験では,狭帯域トーンノイズと広帯域騒音の両者を有する過膨張超音速ジェットを用い,斜め平板に衝突した場合に生じる音響現象を対象に実験と解析を行った.そして,特にノズルと平板間の距離を変化させた場合に,発生する音響場がどのように変化するかに着目した.その結果,ノズルと平板間の距離が十分小さい場合にはトーンノイズは発生せず,適正膨張ジェットを衝突させた場合と類似した現象が観察された.一方,ノズルと平板間の距離がある程度大きくなった場合は,衝突させない場合に見られるトーンノイズが発生し,それが平板で反射する様子も含めて観察することができた.そして,こうした違いが生じる理由は,自由噴流の場合のトーンノイズの音源位置よりも上流で衝突するか下流で衝突するかによることが分かった.さらに,シャドウグラフを用いてショックセル構造を可視化し,それに対して音響トリガ条件付抽出法を用いることによって,音響波発生に相関のあるショックセル構造の動きを抽出できることが明らかとなった.
2: おおむね順調に進展している
本年度の数値解析によって、着目すべき現象を特定することができ、解析手法についても深めることができた。また、本年度の実験によって,トーンノイズと広帯域騒音の両者を伴う超音速ジェットが平板に衝突するという,複雑な音響現象を対象にした場合でも,音響トリガ条件付抽出法が有用であることが示された.また,音響場だけでなくショックセル構造の動きに対しても,本手法を用いて,音響発生に相関のある動きを抽出でき,本手法が有効であることが示された.よって,本手法をさまざまな現象に適用することを通じて,その適用範囲を広げるという,本研究の目的をさらに一歩前進させることができたといえる.以上のことから,おおむね予定通り進捗しているとみなすことができる.
2次元層流ジェットの解析で明らかになった現象が、3次元乱流ジェットでも同様に存在するのかどうかを明らかにすることが、今後の課題である。3次元乱流ジェットを対象に、2次元層流ジェットと同様の擾乱を与えて現象を観察する。本年度の実験によって,トーンノイズと広帯域騒音が混在する複雑な音響場においても,音響トリガ条件付抽出法が適用できることが分かった.しかし,ターゲットとする音響現象の周波数が同一の場合,トーンノイズと広帯域騒音が同時に抽出されることも分かった.自由噴流の場合は,そのような場所を避けてトリガ検出マイクを設置することができたが,衝突ジェットではそれが困難であった.そこで今後は,対象とする周波数が同じ場合でもトーンノイズと広帯域騒音を区別して抽出できるように,トリガの検出方法の改善に取り組んでいく.
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
The Journal of the Acoustical Society of America
巻: 146 ページ: 3409-3424
0.1121/1.5132947