人類の活動領域が地球周回軌道上まで拡大するのに伴い、液体ロケットや人工衛星の推進薬タンクやエンジン、宇宙ステーションでの熱制御装置など、地上とは異なる加速度環境で液体を利用する場面が増えつつあります。しかし、このような環境では、貯蔵容器内の液体を望ましい位置に保持し、思い通りに外部へ搬送するなど、気液二相流を操るのがとても難しくなります。地上では再現が困難な熱流動現象に関する知見の獲得と蓄積が不可欠であり、理論と実験を補完する手段として数値シミュレーション技術の確立が期待されています。本研究では、実験と数値シミュレーションの両方から、宇宙で液体を操るための技術や知見を獲得しました。
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