研究課題/領域番号 |
18H01627
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
堀澤 秀之 東海大学, 工学部, 教授 (30256169)
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研究分担者 |
池田 知行 東海大学, 工学部, 講師 (30758496)
山口 滋 東海大学, 理学部, 教授 (40297205)
船木 一幸 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (50311171)
中山 宜典 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (80532770)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 紫外光とプラスチック樹脂の相互作用 / 光解離反応に伴う推力発生 / 光解離反応に伴う分子流発生 / 小型人工衛星用推進システム / 紫外光を利用するプラズマ源 |
研究実績の概要 |
本研究では,紫外発光ダイオード(uv-LED)が発するuv光と低結合エネルギーの有機ポリマーや低仕事関数の無機材料との非線形的な光相互作用により,プラズマ(中性原子・分子を含む)を発生(プラズマ源)および加速(推進機)する物理機構を理論的および実験的に解明し,最適なプラズマ発生条件について検討し,さらに工学的応用を追求することを目的とする.初年度(2018年度)は主として実験装置の構築に予算のほとんど及び時間の大半を費やした.また,構築した装置による作動実験,さらには理論解析手法の構築に取り組んだ.これらの課題は相補的関係にあり,物理機構検証上何れも不可欠である.なお本研究で目指す最適条件(uv波長・材料の組合せ)は,a)電子密度の最大値を得る条件,b)電子温度の最大値を得る条件,c)材料表面の質量消費率の最大値を得る条件,d)プラズマ速度の最大値を得る条件,など目的により異なる. 具体的には,以下の課題に取り組んだ. 課題1.推進性能の評価(推進剤消費率・推力測定):推進性能評価に向け以下の5点について検討した.1)推力評価用真空チャンバおよび排気系の導入,2)スラストスタンド構築,3)校正用アクチュエータ構築,4)推進剤消費率測定装置構築,5)推力測定実験の実施 課題2.uv-LEDと先進材料の非線形光相互作用の物理機構の実験的検討1-分子流生成特性評価:uv-LED照射後のターゲット表面のEPMA観察を行った. 課題3.uv-LEDと先進材料の非線形光相互作用の物理機構の理論的解明:第一原理分子動力学シミュレーション:第一原理シミュレーションの市販の汎用コードの検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
紫外発光ダイオード(uv-LED)が発するuv光と低結合エネルギーの有機ポリマーや低仕事関数の無機材料との非線形的な光相互作用により,プラズマ(中性原子・分子を含む)を発生(プラズマ源)および加速(推進機)する物理機構を理論的および実験的に解明し,最適なプラズマ発生条件について検討し,さらに工学的応用を追求することを目的に掲げて研究を遂行している.初年度(2018年度)は主として実験装置の構築に予算のほとんど及び時間の大半を費やした.また,構築した装置による作動実験,さらには理論解析手法の構築に取り組んだ.これらの課題は相補的関係にあり,物理機構検証上何れも不可欠である.なお本研究で目指す最適条件(uv波長・材料の組合せ)は,a)電子密度の最大値を得る条件,b)電子温度の最大値を得る条件,c)材料表面の質量消費率の最大値を得る条件,d)プラズマ速度の最大値を得る条件,など目的により異なる. 具体的には,以下の課題に取り組んだ. 課題1.推進性能の評価(推進剤消費率・推力測定):推進性能評価に向け以下の5点について検討した.1)推力評価用真空チャンバおよび排気系の導入,2)スラストスタンド構築,3)校正用アクチュエータ構築,4)推進剤消費率測定装置構築,5)推力測定実験の実施 課題2.uv-LEDと先進材料の非線形光相互作用の物理機構の実験的検討1-分子流生成特性評価:uv-LED照射後のターゲット表面のEPMA観察を行った. 課題3.uv-LEDと先進材料の非線形光相互作用の物理機構の理論的解明:第一原理分子動力学シミュレーション:第一原理シミュレーションの市販の汎用コードの検討を行った.
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は,紫外発光ダイオード(uv-LED)が発するuv光と低結合エネルギーの有機ポリマーや低仕事関数の無機材料との非線形的な光相互作用により,プラズマ(中性原子・分子を含む)を発生(プラズマ源)および加速(推進機)する物理機構を理論的および実験的に解明し,最適なプラズマ発生条件について検討し,さらに工学的応用を追求することである.本研究で提案する方式は,電源の小型・軽量化が極めて容易で,さらにuv光輝度の制御で推進性能を高精度で制御できる特徴がある.この方法を超小型衛星に搭載し,我が国独自の技術としていち早く工学的価値を実証することは極めて重要で,これが本研究の最終的な目標である. 次年度(2019年度)以降は,上記課題1~3を継続的に実施し,さらにはこれらに加えて,以下を実施する. 課題4.uv-LEDと先進材料の非線形光相互作用の物理機構の実験的検討1―プラズマ生成特性評価:1)発生物質(原子・分子・イオン)同定,密度・温度計測,エネルギー分布計測, 2)分析装置:TOF-MS(堀澤),レーザー分光. 課題5.CubeSat用推進システムの構築:1U-CubeSatに収まるシステム構築を目指す.目標サイズはPPU込みで厚さ1cm×10cm平方でスラスタ最大8機の搭載を目標とする(最大消費電力2W,質量100g).
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