研究課題/領域番号 |
18H01631
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 英之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (00196859)
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研究分担者 |
平林 紳一郎 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (90463877)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 浮体式洋上風車 / 連成応答解析法 / ポテンシャル理論 / 弾性模型 / 連鎖漂流リスク解析 |
研究実績の概要 |
浮体式洋上風車の風車-浮体-係留-制御連成応答解析法の高度化を目標として、2019年度は、2つの中目標について研究を実施した。 第1番目の中目標である「連成応答解析の定式化・検証」に関しては、浮体式支持構造の弾性応答が顕著となる場合について、波力評価に弾性応答の影響を考慮できるよう、弾性変形モードを考慮したポテンシャル論による波力評価法を応答解析法に組み入れる開発、および文献で公開されている単純な円筒型弾性浮体に関する既存の解析結果との比較による検証を2018年度に実施した。2019年度はコラムフーティング型半潜水式浮体の弾性模型を用いた水槽実験を実施し、検証用データを取得した。取得した検証用データを用いた検証作業は2020年度に実施することとした。 第2番目の中目標「衝突・係留破断の定式化・検証」については、浮体式洋上風車で構成されたウインドファームに漂流船舶が侵入することによる連鎖衝突と、これによって引き起こされる風車のさらなる漂流を対象とするリスク解析法の開発に関して、船舶の漂流数値モデルの精度向上を図り、貨物船の模型を用いた漂流実験結果との比較を行い妥当性を確認した。その上で、漂流数値モデルを組み入れた漂流シミュレータによりウインドファームのリスクを解析し妥当な結果を得た。一方、2019年度に予定していた係留破断数値モデルの高度化については2020年度に実施することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「連成応答解析の定式化・検証」に関しては、詳細な検証を2020年度に実施することになった。また、「衝突・係留破断の定式化・検証」については、船舶漂流の数値モデルの高精度化を行い、実験との比較を通じた検証を行い、妥当なリスク評価が得られるところまで実施できた。しかし、係留破断数値モデルの高度化については2020年度に実施することとした。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は最終年度として、「連成応答解析の定式化・検証」に関しては、水槽実験結果を用いた検証を実施して解析コードを完成させる。また、「衝突・係留破断の定式化・検証」については、遅れていた係留索破断数値モデルの高度化を実験を併用して進め、リスク解析コードの高度化を行う。成果を取りまとめて、連成応答解析コードと一連のコードとして完成させるとともに、研究成果の公表を行う。
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