研究課題/領域番号 |
18H01648
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
正信 聡太郎 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (80373413)
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研究分担者 |
荒木 元輝 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 主任研究員 (00711350)
高野 慧 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (90636820)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 海洋鉱物資源 / スラリー移送 / 鉛直動揺管 / ポンプ性能 / Flow Assurance |
研究実績の概要 |
海底熱水鉱床等の鉱物資源開発において、深海底で掘削された鉱物を洋上の採鉱母船にスラリー移送する揚鉱ユニットが検討されている。揚鉱ユニットは、揚鉱管及びポンプで構成されており、さらに深海底で掘削を行う採掘ユニットとフレキシブルホースで接続されている。揚鉱ユニットの設計及び運用においては、フローアシュアランス(流路保全)分析が必須であるが、波浪中で動揺する採鉱母船に接続された揚鉱管やポンプの性能変化等を考慮した非定常の固液二相流に対する流路保全解析技術は未だ確立されていない。本研究の目的は、波浪中での採鉱母船の上下動揺によるポンプ性能等の変化を考慮した時の鉛直揚鉱管内のスラリー流量と圧力損失の関係を明らかにするためのフローライン分析手法を開発することである。 当該年度では、鉛直動揺配管を用いた大粒径固体粒子のスラリー移送試験及び固定配管を用いた脈動流中におけるスラリー移送試験を実施して、圧力損失に関するデータを取得した。 試験より、鉛直動揺配管と脈動流中の固定鉛直配管とで、スラリー流量と圧力損失の関係はおおむね一致する結果が得られた。また、マンガン団塊のような海底熱水鉱床に比べて比重の小さい固体粒子に対しては、準定常仮定に基づく圧力損失推定法が適用可能であることを確認した。非定常状態のスラリー流に対するポンプ性能については、試験結果の考察を行った。 また、微粒子スラリー流の圧力特性等を定性的に把握するためのCFDモデルを鉛直動揺配管に適用するための検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定では、微粒子スラリー流のCFDモデルを鉛直動揺配管に適用することを計画していたが、境界条件等の設定に課題があったため、年度内に完了することができなかった。 また、予算上の制約もあり、ポンプ性能評価に利用できるレベルの試験データを取得することができず、ポンプ性能評価モデルの構築までは至らなかった。そこで本研究では、既存の文献を参考にしてポンプ性能モデルを構築することとする。
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今後の研究の推進方策 |
CFDモデルについては、当初の計画よりやや遅れているが、遅れ分を含めて、2020年度計画を遂行できる見込みであるので、特段の研究計画の変更は必要ないと考えている。 ポンプ性能評価については、既存の文献を参考にしてポンプ性能評価モデルを構築することとする。本モデルの構築は、2019年度に計画していたものであるが、この分を含めて、2020年度計画を遂行できる見込みであるので、特段の研究計画の変更は必要ないと考えている。なお、今回構築するモデルは実際の試験データに基づいたものではないが、本研究目的であるフローライン分析手法の開発は可能であり、将来的に試験データをモデルに組み込むことで、より精度の高い分析手法の構築につなげられると考える。
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