研究課題/領域番号 |
18H01649
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
川北 千春 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (70767813)
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研究分担者 |
宮川 和芳 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30623673)
白石 耕一郎 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (40586591)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | フラッター / ダイバージェンス / プロペラ / 単独翼 / 弾性変形 |
研究実績の概要 |
弾性プロペラのフラッター・ダイバージェンス発生条件予測手法の確立を目指し、R01年度は、以下の成果を得た。 【水中翼を対象とした検討】 ・キャビティ長さよりキャビテーション形態三種類を選定し、それぞれのキャビテーション形態がフラッタの安定限界流速に対して、別々の影響を与えることを実験及び流体構造連成解析(FSI)より確認した。部分キャビテーション流下では、フラッタが発生しやすくなる。要因として前縁で発生したキャビテーションによって曲げ捩じりの位相のずれが誘起され、フィードバックが助長されるためであると予想される。遷移キャビテーション流下では、フラッタが発生しにくくなる。要因として、翼周りのキャビティが付加質量逆効果を与え角振動数が増加する方向に作用することなどがあげられる。 ・翼型の強制振動解析において、およそ平板翼と近い無次元周波数でフラッタ安定限界を持っている。つまり近い固有値を持つものは翼型に関係なくおよそ一定の無次元周波数を持つ。また翼型においても迎角に関係なく無次元周波数を持つことが確認できた。ねじり1 次固有振動数がとても大きくなる翼型は、フラッタは起きにくいことが分かった。 【プロペラを対象とした検討】 ・模型プロペラを対象としたFSI解析及び水槽試験を実施した。カーボン樹脂製の弾性変形プロペラについては伴流中の三次元変形量計測も実施し、プロペラ翼が周期的な形状変化を伴いながら作動する様子を確認した。水槽試験との比較検証結果から、回転数や流速変化に応じた弾性変形プロペラの性能変化について、FSI解析によって、その特徴を捉えられることを確認した。本FSI解析手法は、作動中の弾性プロペラの流体力及び形状変化について、定性的には推定可能であると考える。これにより、実際の作動条件において、翼変形した上で適切な翼形状となる弾性変形プロペラ設計の可能性が見出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りである。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り進める。
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