研究課題/領域番号 |
18H01656
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高安 美佐子 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (20296776)
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研究分担者 |
尾崎 順一 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (40846739)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | GPSデータ / ヒューマンモビリティー / 輸送現象 / モデル構築 / 数値シミュレーション / 統計物理モデル / COVID-19 / 行動パターン |
研究実績の概要 |
COVID-19によって、特に都市部の人流が大きく変化した。本年度は、この想定外に発生した異常事態に焦点を当て、どのように人流が変化したのかをGPSデータに基づいて分析し、平静時だけでなく感染症による異常時におけるヒューマンモビリティーの基本特性を分析し、感染と人流の関係を記述する数理モデルを構築した。 約100万ユーザーのGPSデータに基づき、感染の各段階や緊急事態宣言やGOTOトラベル実施時期などのイベントごとに期間を分割し、複数の都市部における人流の流域解析を実施し、時間帯ごとの流域の変化を定量的に評価した。次に、1日の人の行動を個人レベルで、在宅、移動、勤務、その他(外食や買い物など)の4つのパターンに自動分類する手法を開発し、それぞれのCOVID-19に伴うイベント期間にどのように行動パターンが変化したかを計測した。その結果を感染者数の増減の時系列データと比較し、特に感染拡大と相関の強い行動パターンに関してはさらに詳細な行動パターンに分類するなど深堀を進めた。これによって、行動と感染の関係性をデータに基づいて明らかにし、得られた基本的な特性を記述する数理モデルを構築した。 さらに、都市圏レベルのマクロな人流を記述する新たな数理モデルとして、電気回路とのアナロジーに基づく人流のモデルを開発した。人流を電流とみなすアナロジーに基づき、データから観測される平面上の人流を近似的に再現するような電気抵抗と電圧の空間分布を推定した。得られる電気抵抗の分布は都市交通の構造によって決まり、電圧の空間分布はマクロな人の流れを生み出すポテンシャル力を特徴づける基本的な量となり、平静時だけでなく、感染症による異常事態においても重要な特徴量となる。このモデルによって、様々な状況下における人流をシミュレートすることが可能となり、ヒューマンモビリティー科学の基盤となると期待する。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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