本応募研究は、リモートセンシング技術の一つであるライダーを用い、火山ガス中のSO2濃度の平面分布を計測するためのシステムを製作し、フィールド観測によりその有用性を実証することを目的とする。 昨年度開発した297nmを得るレーザシステムのレーザ出力、波長安定度が不十分だったため、システムの見直しを実施し、波長安定化システムを新たに開発した。具体的にはレーザ装置自体の温調システムの高度化、波長計によるモニタリングと温調システムへのフィードバックを実装した。これにより、所定の波長安定度を実現した。 送受信系の性能評価のため、実験室内でSO2ガスの濃度測定実験を行い、0.35±0.06ppm(±17.1%)で計測可能なことを示した。人体に対して害が生じるといわれる5ppmに対して ±1ppm以内での計測が見込まれる結果を得た。 当初、神奈川県箱根山周辺でのフィールド実験を予定していたが、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言等の社会的要因により、実証実験が1回しかできず、有効なデータを得るに至らなかった。
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