水循環システムとしての上下水道のマルチハザードレジリエンスに関する研究

2018 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 18H01677
• 研究機関: 金沢大学
• 研究代表者: 宮島 昌克 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (70143881)
• 研究分担者: 池本 良子 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (40159223) ; 清野 純史 京都大学, 工学研究科, 教授 (00161597) ; 橋本 隆雄 国士舘大学, 理工学部, 教授 (40628814) ; 池本 敏和 金沢大学, 地球社会基盤学系, 講師 (60311677) ; 能島 暢呂 岐阜大学, 工学部, 教授 (20222200) ; 汪 発武 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (10324097) ; 吉田 雅穂 福井工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (90210723) ; 庄司 学 筑波大学, システム情報系, 准教授 (60282836) ; 鴫原 良典 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (90532804) ; 西川 隼人 福井工業大学, 工学部, 准教授 (60769371)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2021-03-31
• キーワード: マルチハザード / 上下水道 / 水循環システム / レジリエンス

研究実績の概要

本研究は、地震、津波、豪雨、豪雪のそれぞれのハザードに対するに水循環システムとしての上下水道の被害軽減策の共通点と相違点を明らかにし、回復性(レジリエンス)のみならず抵抗強度という頑強性を考慮した上でにバランス、すなわちハード対策とソフト対策のバランスをハザードレベルを考慮して明確にする方法論を研究することを目的としている。平成30年度の研究実勢は以下のように取りまとめることができる。
１）これまでに研究代表者の宮島が、研究分担者のそれぞれと行ってきた地震、津波、豪雨災害における被害調査結果を整理するとともに、平成30年7月豪雨災害の上下水道被害について調査をし、資料を追加収集した。
２）平成29年度の豪雪災害にも注目し、豪雪による上下水道被害についても新たに資料収集した。
３）収集した災害調査資料を基に、それぞれの災害におけるハザードレベルを評価した
４）ハザードレベル、抵抗強度と被害レベルの関係を検討した。このとき、構造被害が生じなくても機能被害が生じる場合と、構造被害により機能被害が生じる場合など、構造被害と機能被害の相互連関について検討を行った。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究代表者と分担者がこれまでに共同で行ってきた被害調査資料などを集約し、マルチハザードの観点から検討することができたので、概ね当初の計画に従って順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

昨年度と同様に、1年間に2回、研究代表者、分担者が全員集まる研究会を開催し、それぞれのハザードに対する災害研究の成果の共有をはかり、それぞれのハザードに対する被害状況の共通点と相違点を明確にすることを、ハザードレベルを考慮しながら検討を行い、研究を推進していく予定である。

研究成果

• [雑誌論文] 住民意識を考慮したソフト・ハード両面からの上下水道減災対策の最適化手法の提案 (2018)
  • 著者名/発表者名: 池本良子、山中明彦、宮島昌克、安田誠宏、森崎啓、高野典礼
  • 雑誌名: 土木学会論文集A1（構造・地震工学） 巻: 74 ページ: I_578－I_585
  • DOI: doi.org/10.2208/jscejseee.74.I_578
  • 査読あり
• [雑誌論文] 地上・地下統合浸水解析モデルを用いた輪島市下水道施設の津波による未想定被害の検討 (2018)
  • 著者名/発表者名: 安田誠宏、山中明彦、池本良子、宮島昌克、森崎啓、高野典礼、大谷卓、岡部良治
  • 雑誌名: 土木学会論文集A1（構造・地震工学） 巻: 74 ページ: I_724－I_730
  • DOI: doi.org/10.2208/jscejseee.74.I_724
  • 査読あり
• [雑誌論文] わが国の全地震活動モデルを用いた震度曝露人口による地震リスク評価 (2018)
  • 著者名/発表者名: 能島暢呂・加古涼介・加藤宏紀
  • 雑誌名: 土木学会論文集A1（構造・地震工学） 巻: 74 ページ: I_109-I_119
  • DOI: doi.org/10.2208/jscejseee.74.I_109
  • 査読あり
• [雑誌論文] Experimental study on impact behavior of submarine landslides on undersea communication cables (2018)
  • 著者名/発表者名: Wang FW, Dai Z, Nakahara Y, Sonoyama T
  • 雑誌名: Ocean Engineering 巻: 148 ページ: 530-537
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Landslide deformation behavior influenced by water level fluctuations of the Three Gorges Reservoir (China) (2018)
  • 著者名/発表者名: Kun Song, Wang FW, Qinglin Yi, Shuqiang Lu
  • 雑誌名: Engineering Geology 巻: 245 ページ: 58-68
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] A giant historical landslide on the eastern margin of the Tibetan Plateau (2018)
  • 著者名/発表者名: Dai Z, Wang FW, Cheng Q, Wang Y, Yang HF, Lin Q, Yan K, Liu F, Li
  • 雑誌名: Bull Eng Geol Environ 巻: 1 ページ: 1-14
  • DOI: doi.org/10.1007/s10064-017-1226-x
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Seismic Microzonation of Mandalay City (2018)
  • 著者名/発表者名: Pyi Soe Thein, Junji Kiyono, Tun Tun Win, Than Than Nu and Day Wa Aung
  • 雑誌名: Journal of Geological Resource and Engineering 巻: 6 ページ: 1-13
  • DOI: doi:10.17265/2328-2193/2018.01.001
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] 道路ネットワークの津波災害時における機能支障の定量的評価 (2018)
  • 著者名/発表者名: 伊藤詩織，庄司学
  • 雑誌名: 土木学会論文集A1（構造・地震工学） 巻: 74 ページ: I_120-I_130
  • DOI: doi.org/10.2208/jscejseee.74.I_120
  • 査読あり
• [雑誌論文] 津波越流に対する防波堤の港内マウンド被覆ブロックに作用する流体力と安定性評価 (2018)
  • 著者名/発表者名: 大井邦昭，八木宏，多田 毅,鴫原良典，林建二郎
  • 雑誌名: 土木学会論文集B2(海岸工学) 巻: 74 ページ: I_289-I_294
  • DOI: doi.org/10.2208/kaigan.74.I_289
  • 査読あり
• [雑誌論文] Measuring offshore tsunami currents using ship navigation records (2018)
  • 著者名/発表者名: Daisuke Inazu, Tsuyoshi Ikeya, Takuji Waseda, Toshiyuki Hibiya and Yoshinori Shigihara
  • 雑誌名: Progress in Earth and Planetary Science 巻: 5 ページ: 1-10
  • DOI: 10.1186/s40645-018-0194-5
• [学会発表] 2018年インドネシア・スラウェシ地震の現地調査報告 (2019)
  • 著者名/発表者名: 小野 祐輔 、宮島 昌克 、幸左 賢二 、吉田 雅穂、Hendra Setiawan、 野口 竜也
  • 学会等名: 第９回インフラ・ライフライン減災対策シンポジウム
• [学会発表] 耐震型ダクタイル鉄管による 断層横断管路の簡易設計方法の研究 (2019)
  • 著者名/発表者名: 小田 圭太、岸 正蔵、宮島 昌克
  • 学会等名: 第９回インフラ・ライフライン減災対策シンポジウム
• [学会発表] 2018年北海道胆振東部地震における 医療機関のライフライン被害と 医療機能低下の関係 (2019)
  • 著者名/発表者名: 野口 亮輔、宮島 昌克
  • 学会等名: 第９回インフラ・ライフライン減災対策シンポジウム
• [学会発表] 耐震補修弁の弁筐衝突実験による耐震性能検証 (2019)
  • 著者名/発表者名: 乾 太一朗 、宮島 昌克 、橋岡 由男、川崎 幸一
  • 学会等名: 第９回インフラ・ライフライン減災対策シンポジウム
• [学会発表] 供給系ライフラインの地震時機能的被害・復旧評価システムの構築とその改良 (2018)
  • 著者名/発表者名: 加藤宏紀・能島暢呂
  • 学会等名: 第15回日本地震工学シンポジウム
• [学会発表] 2016年熊本地震におけるライフライン被害に関する新聞報道のテキストマイニング―地方紙と全国紙の比較― (2018)
  • 著者名/発表者名: 加藤宏紀・能島暢呂・小山真紀・田中孝樹
  • 学会等名: 第37回地震工学研究発表会
• [学会発表] Study on buried pipeline response due to the earthquake at faulting intersection (2018)
  • 著者名/発表者名: Farzad Talebi and Junji Kiyono
  • 学会等名: The 37th Annual Conference of the Japan Society for Natural Disaster Science
• [学会発表] 2016年熊本地震における下水道埋設管路被害に係る表層地盤特性 (2018)
  • 著者名/発表者名: 原昌弘，庄司学
  • 学会等名: 第15回日本地震工学シンポジウム
• [学会発表] Damage Assessment of Sewer Buried Pipes Subjected to Seismic Ground Motions and Liquefaction (2018)
  • 著者名/発表者名: Shoji, G., Hatakeyama, D. and Nagata, S.
  • 学会等名: The 8th International Symposium on Earthquake Engineering for Lifeline and Critical Infrastructure Systems
  • 国際学会
• [学会発表] Failure modes of segmented ductile iron pipelines subjected to reverse faulting (2018)
  • 著者名/発表者名: M.H. Erami, M. Miyajima, T. Ikemoto, S. Kaneko
  • 学会等名: Eighth International Conference on Engineering Failure Analysis
  • 国際学会
• [学会発表] Offshore tsunami currents found in navigating ship records (2018)
  • 著者名/発表者名: Inazu, D., Ikeya, T., Waseda, T., Hibiya, T., Shigihara, Y.
  • 学会等名: 10th ACES International Workshop
  • 国際学会
• [学会発表] 建築物内部に作用する津波波圧に関する水理実験 (2018)
  • 著者名/発表者名: 福谷陽，鴫原良典
  • 学会等名: 2018年度日本建築学会大会(東北）
• [学会発表] 遮蔽物背後の建築物に作用する津波波圧に関する水理実験 (2018)
  • 著者名/発表者名: 鴫原良典，福谷陽
  • 学会等名: 2018年度日本建築学会大会(東北）