プロトン導入に関与する酸素空孔の局所構造変化を評価するため、酸素イオンが配位するBサイト周囲における水和反応に伴う電子・局所構造変化をその場X線吸収分光法(in-situ XAS)にて評価した。水和反応前後におけるXASスペクトルで最も顕著な変化を生じたのはSc置換ジルコン酸バリウムであり、X線吸収端近傍構造領域において吸収端より低エネルギー側に現れるプレエッジピークに変化が観測された。その結果、Sc置換ジルコン酸バリウムにおいては、Sc-VO-ScおよびSc-VO-Zr配置の酸素空孔が水和反応を担っていることが示唆された。
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