優れた特性を示すFe系磁気熱量材料において出現する水素再分配現象(スプリット現象)について、解明制御を試みた。熱量効果の源である1次相転移の進中に現れる二相共存状態において、強磁性と常磁性相が隣接すると、水素は徐々に常磁性相から強磁性相に移動する。磁気核生成/成長を直接観測し、更に同一箇所の金属組織観察を行ったところ、粒界3重点が磁気生成ドメインをピニングし、拡散パスとなることがわかった。また、第一原理計算より、磁気状態を慎重に選択して電子状態を解明することで、実験と整合する説明が可能であり、水素の電子状態が現象を支配することがわかった。
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