研究課題/領域番号 |
18H01706
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
武藤 浩行 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20293756)
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研究分担者 |
河村 剛 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10548192)
佐藤 和好 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (40437299)
林 大和 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60396455)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 複合粒子 / 3D造形 / マイクロ波焼結 / ナノ粒子 |
研究実績の概要 |
セラミックスの新規な焼結法として、マイクロ波、レーザー光などの電磁波を利用した「内部加熱」による次世代モノづくり手法を確立することを目的として研究を実施している。申請者らが開発したナノ物質集積技術(静電吸着複合法)を基軸として、マイクロ波、レーザ光のような電磁波に不感なセラミック粒子の表面に電磁波吸収特性に優れたナノ粒子を均一に吸着させた複合粒子の開発に取り組んだ。これにより、これまで普及していなかったセラミックスのマイクロ波焼結、レーザーによる3D直接造形技術(3Dプリンタ)を確立できると期待される。プロジェクトでは、電磁波焼結技術の確立を目指し、(1): 原子レベルで制御されたナノ粒子開発と形状制御、(2): これを用いた複合粒子・圧粉体構造の最適設計、および(3): 緻密化のための電磁波照射条件の検討、を行い次世代モノづくりのための新たな材料プロセスの確立を目指した研究に取り組んでいる。 本年度は特に、粒子設計(複合化)を中心とした検討を行い、セラミックスのレーザ直接造形を可能とする複合粒子を開発することができた。アルミナを母材として、ナノサイズのセルロースナノファイバ、炭化ケイ素粒子を吸着させた集積化構造(複合粒子)を提案することができ、ファイバレーザの照射により溶融、焼結による造形が可能でありことを示すことができた。また、溶融、焼結の際の大規模な収縮を低減させるために、新たに三元系複合粒子(高次集積構造)を提案し寸法精度の維持に有効であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
マイクロ波、レーザー光などの電磁波を利用した「内部加熱」による次世代モノづくり手法を確立するための粒子設計に関して指針を示すことができた。用いたナノ物質集積技術(静電吸着複合法)により、これまで困難とされていたレーザ直接造形が可能な複合粒子を提案することができた(論文発表済み)。加えて、電磁波に不感なセラミック粒子の表面に電磁波吸収特性に優れたナノ粒子の開発も並行して進めておりせいかをあげつつあり当初目的通りに進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
電磁波吸収、レーザ吸収性の改善に関する粒子設計を引き続き実施する。これにより「内部加熱」による次世代モノづくりを先導する新たな技術を確立する。従来の「外部加熱」で作製される材料開発の限界、これを打破するための「内部加熱」の可能性および活用の有用性を明らかにする。
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