| 研究課題/領域番号 |
18H01713
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| 研究機関 | 大阪府立大学 |
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研究代表者 |
林 晃敏 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10364027)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 全固体ナトリウム電池 / 固体電解質 / 酸化物 / 界面制御 |
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| 研究実績の概要 |
本研究では、高い導電率と化学的安定性を併せ持つ酸化物固体電解質NASICON(Na3Zr2Si2PO12)を主体として、成形性に優れる硫化物電解質を添加した、良好な界面接合を有する複合電解質を得る。固体界面形成に適した硫化物電解質の組成や作製プロセスを検討し、酸化物ベース全固体電池における固体界面制御の基盤技術の確立を目的としている。
本年度は硫化物電解質として、高い導電率と安全性に優れるNa3SbS4の特性向上に向けて、組成探索を行った。その結果、Sbの一部をWに置換することによって、導電率が増大することを見出した。W置換に伴うNa欠損の導入と立方晶の安定化の効果によって、焼結体では室温で10-2 S cm-1以上の極めて高い導電率を示した。またWドープNa3SbS4電解質の液相合成条件を検討した。水溶液を介して得られたNa2.88Sb0.88W0.12S4は室温で4×10-3 S cm-1の導電率を示し、従来報告されている液相合成硫化物電解質の中で最も高い値が得られた。
また、Na3Zr2Si2PO12‐Na3SbS4コンポジット電解質の粉末成形体のイオン伝導挙動について検討した。コンポジット粉末を一軸加圧成形後に100oCで熱処理することによって室温における導電率が増加することがわかった。Na3SbS4粒子とNASICON粒子間の界面イオン移動抵抗が低減し、両者間を介する伝導経路が形成されることが示唆された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
液相法を用いて合成した硫化物固体電解質Na3SbS4を用いて、NASICON酸化物固体電解質の隙間を埋めつつ、良好な界面接触を形成することによって、酸化物を主成分とする固体電解質として比較的高い導電率を示すコンポジット電解質が得られている。本研究のコンセプトを実証する実験結果が着実に積みあがっており、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
Na3SbS4硫化物電解質の液相を用いてNASICONとの複合化・界面形成を行うことによって、硫化物割合を低減させながら、高い導電率を示す酸化物ベースコンポジット電解質の作製に取り組む。
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