研究課題
本研究は、高温スパッタ法によりa軸及びc軸配向エピタキシャル(Bi3.25Nd0.65Eu0.10)Ti3O12 (BNEuT)薄膜をそれぞれNb:TiO2(101)及びPt(100)/MgO(100)基板上に作製した.得られたBNEuT薄膜をマイクロプレート(MP)とロッド(MR)形状に微細加工して強誘電体ピラーを作製した.それらを用いて、有機金属化学気相堆積(MOCVD)法によりフェリ磁性CoFe2O4(CFO)を間隙に堆積させてCFO/BNEuT複合体薄膜を作製した.得られたMP型及びMR型複合体薄膜の構造・磁気・強誘電・電気磁気特性のポストアニール温度依存性を測定した.得られた研究成果は以下の通りである。(1) 700-750℃、10 hアニールしたCFO/BNEuT複合体薄膜中のCFOは、いずれも逆スピネル型構造を有する多結晶状態を示した。一方、800-850℃、10 hアニールした薄膜は、CFO相以外に熱分解によって生じたヘマタイト(α-Fe2O3)相とCo3O4層が出現した。700℃ですぐれた磁気特性(磁化M5kOe=49emu/g、保磁力Hc=905Oe)と強誘電性(残留分極Pr=15μC/cm2、抗電界Ec=155kV/cm)を示した。(2) 700℃でポストアニールしたMP、MR及び積層型試料の室温電気磁気電圧係数(αME)のDC磁場依存性を調査した。MR型が4.5 kOeの磁場印加において、最大のαME (=5.5mV/cm・Oe)を示すことを見出した。以上の結果から、強誘電体ピラーがMR形状かつa軸配向エピタキシャル薄膜であるとき、当該複合体薄膜は磁気センサや電源不要キャパシタとして実用化が期待できることを実証した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (3件)
Jpn. J. Appl. Phys.
巻: 59 ページ: SPPB06 (6pp)
10.35848/1347-4065/aba553
巻: 59 ページ: SPPB08 (6pp)
10.35848/1347-4065/aba9b4
巻: 59 ページ: SCCB10 (5pp)
10.7567/1347-4065/ab4a98
巻: 59 ページ: SCCB08 (6pp)
10.7567/1347-4065/ab4aa1
Trans. Mat. Res. Soc. Japan
巻: 45 ページ: 77-80
巻: 45 ページ: 31-34