本研究では,申請者が作製法を確立したMg-Li合金の「bcc型単結晶」を用い,塑性変形挙動,弾性率,溶解挙動といった各種物性量の「結晶方位依存性」を定量的に明らかにすべく検討を行った.この結果,bccという対称性の高い構造を有するにもかかわらず,各特性は方位依存性を示すことが明らかになった.また力学特性について,β型Mg-Li合金に5at.%のAlを添加した単結晶を作製し,かつ高温からの焼き入れ処理を施すことで,従来に例のない470MPaもの高強度化が達成されることを世界に先駆けて明らかにした.さらに,α/β二相合金化することで,ある程度の延性を確保しつつ高強度化できる可能性を明らかにした.
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