研究課題
本年度は,超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)における分離挙動基礎データの取得およびデータベースの構築に取り組んだ.SFCにおいて一般的に用いられているモディファイヤ濃度が40%ぐらいまでの条件で溶出する各種標準品を用いて,修飾基の異なる各種シリカ系充填剤カラムにおける分離挙動データを取得した.それそれの化合物について,異なるカラム,移動相組成および流量,操作圧力,カラム温度においてデータの収集を行った.また,それぞれの化合物について,分離条件,溶出時間,ピーク幅等のSFCにおける分離データのほかに,LogPや化学構造など化合物に関する情報を収載したデータベースを構築した.さらに,取得したSFC分離挙動データについては,海外の研究協力者と連携して解析を試みた.これまでに研究協力者が取得したSFCの分離挙動データと比較解析を行うことにより,将来的に計画しているSFCにおける大規模な分離挙動データベースおよび溶出予測モデル構築に向けたデータ取得における課題を抽出することができ,今後のデータ取得に向けた方針を検討することができた.また,超臨界流体抽出(SFE)における溶解度基礎データの取得およびデータベース構築にも取り組んだ.SFCの分離挙動基礎データ取得で用いた化合物について,SFEにおける溶解度に関する情報を取得した.それぞれの試験化合物について,異なる溶出溶媒組成および流量,操作圧力および温度においてデータの収集を行った.まず,また,それぞれの試験化合物について,SFEにおける溶媒組成,溶媒量,圧力,温度,溶出量のほか,LogPや化学構造など化合物に関する情報を格納したデータベースを構築した.
2: おおむね順調に進展している
予定していた標準品化合物による超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)における分離挙動データを取得できた.さらに,分離挙動データベースの構築も進めることができ,SFCにおける分離条件,溶出時間,ピーク幅等の挙動データのほかに,それぞれの化合物のLogPや化学構造などの情報についてもデータベースに収載できている.また,超臨界流体抽出(SFE)における溶解度基礎データ取得についても,同様に進めることができた.また,それぞれの試験化合物について,SFEにおける溶媒組成,溶媒量,圧力,温度,溶出量のほか,LogPや化学構造など化合物に関する情報を格納したデータベースを構築できた.上記のとおり,研究開発は当初の計画どおり進められている.
今後も引き続き,超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)における分離挙動基礎データの取得およびデータベースの構築に取り組むとともに,超臨界流体抽出(SFE)における溶解度基礎データの取得およびデータベース構築にも取り組む.試験対象化合物については,バリエーションを広げ,幅広い化合物のSFCにおける分離挙動およびSFEにおける溶解度データの取得を試みる.さらに,SFCにおける分離挙動データをもとに溶出時間予測モデルの構築を試みるとともに,カラムとの相互作用の様式を考察し,SFCにおける分離メカニズムの解明についても取り組む.また,SFEにおける溶解度データをもとに溶解度予測モデルの構築についても試みる.SFCにおける分離挙動およびSFEにおける溶解度データの取得がある程度できた段階で,Unified Chromatography(UC)における分離挙動データおよびUnified Extraction(UE)における溶解度データの取得についても試み,同様にデータベースの構築および溶出時間予測モデル,溶解度予測モデルの構築を試みる.
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 2件、 招待講演 12件)
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