本年度においても,超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)に加えてUnified Chromatography(UC)についても分離挙動基礎データの取得およびデータベースの構築に取り組んだ.最終的に1239種類の幅広い性質の標準品化合物を用いて,各種カラムにおける分離挙動データを取得した.それぞれの化合物について,15種類以上の順相・逆相固定相等のカラム,無添加,酸・アルカリ添加,塩添加を含む4種類以上の移動相組成におけるデータの収集を行った.また,分離条件,溶出時間,ピーク幅等のSFCにおける分離データのほかに,試験化合物の分子記述子に基づく化合物情報を格納したデータベースを構築した.さらに,取得したSFC分離挙動データの解析をWest教授らのグループと連携して行った. また,超臨界流体抽出(SFE)における溶解度基礎データの取得およびデータベース構築についても引き続き取り組んだ.SFE-SFCフラクション装置を用いた新規溶解度測定システムの開発についても島津製作所と協力して取り組み,多数のサンプルに対して異なる条件で溶解度を連続して測定可能なシステムの構築に成功した.また,開発した溶解度測定システムは,これまで計測が困難であった低溶解度の化合物にも対応可能であった.それぞれの試験化合物について,異なる溶出溶媒組成および流量,操作圧力および温度においてデータの収集を行った.また, SFEにおける溶媒組成,溶媒量,圧力,温度,溶出量のほか,試験化合物の分子記述子に基づく化合物情報を格納したデータベースを構築した.
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