プラズモン性ナノ構造体近傍の化学的環境を精密に制御して新規なMCD応答の発現や増強・変調を目指すと共に、そのメカニズムの解明を目的として研究を行った。主要な成果を以下に挙げる:(1)磁性を持つマグネタイトFe3O4とAuを接触させたナノヘテロダイマーを作製し、MCD応答に現れるマグネトプラズモンの磁気遮へい効果を見出した。(2)Ag-Auコアシェルナノ粒子をシェル厚を制御して作製し、プラズモン混成に起因するMCD応答のシェル厚依存性を見出した。(3)直径90 nmを超えるAgナノ粒子を精密作製し、通常の光学測定では見えない高次モードが、MCDでは高分解能かつ高感度に検出できる事を明らかにした。
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