研究課題
コロナ禍で様々な往来が制限されたため、予定していた研究項目の進捗ががかなり遅れたが、期間を2023年3月まで延長することで、ほぼ予定通りの成果を上げることができた。GaAs系QPCのRDNMRについては、低磁場でもRDNMRが測定できる利点を活かし、ポンプ・プローブ法によりQPCの0.7 (or 0.5) × 2e2/hの特性と一次元チャンネルの電子スピン偏極がどのように関連するかの測定を進め、特にT1時間のデータを蓄積した。T1時間は電子スピン系の揺らぎを反映しており、現在論文を執筆中である。また、これまでに得られたQPCのRDNMRについて招待論文やSpringer-Natureからの著書の章にまとめた。また、最近発見した超高移動度ではないQPCでもセンターゲートの働きで3/2構造が見える大変面白い成果について、最初の論文を発表するとともに、外国のグループからの超高移動度試料での実験結果も参考にしながら、センターゲートの特徴を活かした詳しい実験を進めた。その結果、3/2に加えて1/2も見えること、整数と分数のエッジチャネルが関係したユニークなメカニズムが予想されることを明らかにした。得られた結果は、RDNMRのデータも加えて、新たな論文に投稿している。ナノゲートを用いたミクロスコピックな変調に関する研究も進め、センターゲートのない通常のQPCとナノゲートの組み合わせでも、偶数分母状態に関連したユニークな輸送特性を確認した。さらに、InSbやGaAs系において、QPCの特性を理解するための基礎にもなるスピン軌道相互作用のよりきちんとした理解に向けて、二次元系の弱局在や反弱局在の特性に関する実験も推進した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
東北大学旧量子伝導物性研究室 http://quant-trans.org/
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