本研究は、ゲノム編集ツールCasタンパク質群に高速AFMを適用し、様々なCasタンパク質がDNAに結合し切断する瞬間を実時空間で可視化することで、DNA切断分子作動機構を統一的に理解することを目的とした。研究期間において、SaCas9、AsCas12a、LbCas12aに対して高速AFM観察を行い、核酸非結合状態ではフレキシブルな構造をとるが、RNA結合状態では安定で固い構造をとり、RNA-DNA結合状態では、標的DNA配列に強く結合したままであることを明らかにした。この分子動態は、全てのCasタンパク質において観察され、エンドヌクレアーゼにおける共通の分子作動機構といえる。
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