本研究では、高速原子間力顕微鏡(AFM)による分子操作機能を高度化したインラインフォースカーブモードを開発し、微小管に高い制御性で単一チューブリンダイマー欠陥を形成できるとともに、力―距離曲線を取得できるようになった。この手法により、微小管の自己修復過程や欠陥周囲のキネシン分子の運動挙動を観察できるようになり、また、チューブリン間の結合エネルギーの定量化に成功した。さらに、この手法を発展させた高速フォースマッピング法の観察にも成功した。屈曲した微小管のキネシン滑走運動を観察した結果、屈曲した領域ではキネシンの移動速度が低下することを見出した。
|