研究課題/領域番号 |
18H01841
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
松永 忠雄 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (00396540)
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研究分担者 |
吉岡 芳親 大阪大学, 先導的学際研究機構, 教授 (00174897)
芳賀 洋一 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00282096)
藤原 俊朗 岩手医科大学, 医学部, 助教 (60405842)
鶴岡 典子 東北大学, 工学研究科, 助教 (70757632)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | MRI / MRS / リアルタイムバイオイメージング / MEMS / 非平面微細加工技術 |
研究実績の概要 |
核磁気共鳴イメージング(以後、MRIを称す)を用いることで、非侵襲的にヒトや実験動物の生体機能や代謝など多様な情報を得ることが原理上可能になる。生きたままの生体管腔内局所において、組織レベルから細胞レベルに至るバイオイメージングを行うためには高磁場MRIと、高い信号雑音比と磁場不均一に強い受信コイルが必要となる。本研究では、独自に開発した非平面微細加工技術を応用することで、直径2 mm以下のカテーテル形状に実装された高磁場MRI(11.7 Tesla/500 MHz)で使用可能な細径で高分解能な体腔内MRSプローブを開発する。 当該年度は、高周波用MRI用コイルの有限要素法を用いた設計、および細径体腔内MRSコイルを作製した。当該研究で使用する高磁場MRIは11.7 Tesla(1Hラーモア周波数は500 MHz)であることから、MRIコイルには高い自己共振周波数が求められる。原理上インダクタンスと寄生容量を小さくすることが必要であるが、インダクタンスの低下は高感度化とトレードオフとなる。コイルの受信範囲と受信信号強度を両立するため、有限要素法を用いてコイル外側の磁場強度の均一性を計算しながらコイル形状、および外形を設計した。その結果、自己共振周波数を上げるためにはインダクタンス低下も有効であることから、1 mm直径のコイルについても検討した。一方で、がん細胞生成時により多く検出されるコリン(Ch0)などをMRSで検出することも有効である。Cのラーモア周波数は11.7 Teslaでは約125 MHzであり、これまでのコイルを設計変更せずに利用できることから、従来形状のコイルも作製した。一方で、最終年度に撮像実験を進められる準備として高磁場MRI対応の固定、および可変コンデンサを含めた高耐圧の受信回路との電気的接続、そして装置との接続に適したサイズでの基板設計などを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細径微細コイルを作製するための環境、および装置の改造に時間と費用を要してしまった。一方で、自由なコイルデザインを実現するために露光装置のステージ駆動のソフトウエアを一新し、多軸同時駆動を可能としたことから、より複雑な配線パターンを実現できる構成とした。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度であることから、撮像実験、およびMRSを積極的に行うことを念頭に、試作を継続するとともに、大阪大学吉岡研究室にて撮像実験を行う。一方で、コロナウィルスの拡大防止により撮像実験の回数が減ることが予想されるため、年度の早い段階で受信回路を含むMRIプローブと高磁場MRIの接続実験を行うなど準備を早急に進める。
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