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2019 年度 実績報告書

MEMSキラルメタマテリアルによるテラヘルツ分光方法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18H01843
研究機関電気通信大学

研究代表者

菅 哲朗  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30504815)

研究分担者 小西 邦昭  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (60543072)
神田 夏輝  東京大学, 物性研究所, 助教 (60631778)
岩瀬 英治  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70436559)
高橋 英俊  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (90625485)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードキラルメタマテリアル / メタマテリアル / MEMS
研究実績の概要

本研究では、テラヘルツ(THz)周波数帯において、タンパク質などの分子に、円偏光を照射して透過光を計測するだけで立体構造を調べることができる、新しい分光技術の確立に向けて、応答を増幅するために重要なキラルメタマテリアルの研究に取り組んだ。THz周波数帯は有用な分子の振動吸収スペクトルを多く含み、とくに、左右円偏光の吸収率の差からなる振動円偏光二色性スペクトルを計測できれば、分子の立体配置構造である3次元キラル構造の情報を得ることができ、医療や創薬など多方面で大きな効果が期待されている。しかし、円偏光二色性信号は微弱なので、現時点で計測技術は確立していない。そこで、大きな電場強度を持つ近接場光を、右円偏光・左円偏光両方に対して生成し、分子(物質)と円偏光の相互作用を増強して信号レベルの増大をはかり、THz振動円偏光二色性スペクトル計測の実現を目指す。この目的ために、申請者ら独自の円偏光と強い共鳴を示し、キラリティ切り替え可能な3次元MEMSメタマテリアルの実現に取り組んだ。そのために、代表者らが提案している直径150μmの平面らせんキラルメタリアルをベースに、強い円偏光共鳴を実現する構造を検討した。
2018年度において、らせんの中心を機械的に引っ張り上げる様式に変更し、基本的な試作を進めていたが、構造の歩留まりの悪さなどの問題があった。そこで、本年度はこれまで使っていた、Parylene-Paryleneボンディングではなく、Paryleneとハイアスペクトな構造が製作できるSU-8を用いたボンディング技術を確立した。これにより、歩留まりの問題であったらせん構造の破壊を免れ、一定の歩留まりの向上が得られた。THz-TDSにより一定の円偏光二色性を確認したが、しかし、Paryleneの剥離等の問題があり、Parylene-Siの密着性向上などの課題が判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナウイルスの流行により、大学へ入構の禁止、学外での実験の制限があったため、やや遅れがみられた。

今後の研究の推進方策

Paryleneの剥離等の問題があり、Parylene-Siの密着性向上などの課題が判明したが、この問題はSi表面の化学物質修飾などにより改善可能である。また、SU-8のアスペクト高さの最適化や、プロセス途中でのAuの剥離を防止する措置など、プロセスの向上を図るべき点がいくつか見られた。こうした点に配慮しながら、研究を進めていく。また、レーザ加工のラージスケールでらせん構造を試作することにより、変形後のらせん構造が示す形状を実験的に評価することができる。これにより、試作に時間を要するMEMSプロセスを経ずに、すみやかに評価を進めることができる。ラージスケールによる評価を進めつつ、歩留まりよく大変形を示す構造の実現を進めていく。さらに、コロナの中で実験実施などは一定の制約が存在するが、対策を講じて実験実施を進める。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Mechanical Large Deformation 3D Chiral THz Metamaterial2020

    • 著者名/発表者名
      Takuya Kosuge, Tetsuo Kan, Kuniaki Konishi, Mizuho Matoba, Natsuki Kanda, and Makoto Kuwata-Gonokami
    • 学会等名
      The 33rd IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS 2020)
    • 国際学会
  • [学会発表] 機械的変形可能な3DキラルTHzメタマテリアル2019

    • 著者名/発表者名
      小菅 拓也, 菅哲朗
    • 学会等名
      電気学会第36回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム
  • [学会発表] 平面らせん構造の垂直変形特性評価, Vertical Deformation Characterization of Planar Spiral Structure2019

    • 著者名/発表者名
      武田湧希, 岩瀬英治
    • 学会等名
      本機械学会 第10回マイクロ・ナノ工学シンポジウム
  • [備考] 菅研究室

    • URL

      http://www.ms.mi.uec.ac.jp

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公開日: 2021-12-27  

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