分布帰還型共振器を用いた有機半導体レーザーの発光波長は共振器の周期だけでなく,有機半導体の厚さにも依存することが知られていたが,その発光波長が計算されたストップバンドで良く説明できるものだけではなく,全く説明できない実験結果も存在した.本研究により,それがミニストップバンドを用いて説明できることが明らかになり,有機半導体レーザーの発光特性の解明に大きく貢献し,発振波長をよりよく制御できるようになった. また,本研究で新しく開発した素子構造は,電荷輸送と発光効率がともに高い有機半導体の開発が難しいという問題点を,これらの機能を別々の物質に担わせることにより克服する新しいアプローチをもたらした.
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