2020 年度研究成果報告書

強相関π電子のガラス化と結晶化を利用した不揮発性メモリ材料の開発

研究課題

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研究課題/領域番号	18H01853
研究種目	基盤研究(B)
配分区分	補助金
応募区分	一般
審査区分	小区分29010:応用物性関連
研究機関	東京大学 (2019-2020) 東北大学 (2018)
研究代表者	橋本顕一郎東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (00634982)
研究期間 (年度)	2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード	電荷ガラス / 幾何学的フラストレーション / 電荷秩序 / 有機導体 / 三角格子 / TTT図 / 強相関電子 / DSC
研究成果の概要	本研究では、エックス線照射により人為的に欠陥を導入したθ-(BEDT-TTF)2MZn(SCN)4 (M = Rb)に対して、光学伝導度測定や電気抵抗測定を行い、温度-時間-変態(TTT)図を作成した。その結果、試料内の欠陥が電荷の結晶化を妨げ、一方でガラス化を促進することを明らかにした。また、θ-(BEDT-TTF)2MZn(SCN)4 (M = Cs, Rb, Tl)において抵抗ノイズ測定を行い、電荷ガラス形成と構造ガラスの間に相関があることも見出した。これらの成果は、電荷ガラス・電荷結晶状態を利用したメモリ材料の実現に向けた指針になると考えられる。
自由記述の分野	強相関電子
研究成果の学術的意義や社会的意義	近年、高速・大容量通信技術の著しい発展に伴い、磁気ディスク・フラッシュメモリを刷新するより高速な不揮発性記録デバイスが必要とされており、新規なメモリ機能の開拓は現代応用物理学に課せられた重要な使命となっている。本研究は、二次元三角格子構造をもつ強相関有機導体で実現する電子の結晶化とガラス化を利用した不揮発性メモリの原理を確立することを目指したものであり、結晶中の乱れが電荷の結晶化を阻害し、電荷のガラス化を促進するという研究結果は、電荷ガラス・電荷結晶を利用した新規メモリ材料の実現に向けた大きな指針になると考えられる。