研究課題
本研究は、スピン波干渉を利用した多数決論理演算機能の実現に向けた基盤技術の構築を目的とする。トンネル磁気抵抗素子等のスピントロニクス応用で広く利用されているMgO/CoFeB接合において、面内方向の磁気異方性を電界効果により制御できる技術を確立した。これにより平行励起方法とマグノン散乱過程を経て、効率的にナノスケール波長をもつスピン波を生成することに成功した。参照試料を利用して大電力のマイクロ波照射によりナノ波長スピン波の生成実験を行ったが、電界効果励起と同様の効果はみられなかった。これにより、電界効果を利用した磁気異方性の変調はスピン波を効率よく励起する方法であることを明らかにした。また、高品質なY3Fe5O12薄膜を作製してスピン波の緩和時間が面方位に依存することを明らかにした。その顕著な面内異方性がみられなかった(111)面へと配向させた試料にてスピン波の干渉実験を行い、2つの入力部からのスピン波の位相差に応じて出力部の検出信号が変化することを確認した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
Advanced Quantum Technologies
巻: 2010453 ページ: 1-7
10.1002/qute.202000112
ACS Applied Materials & interfaces
巻: 12 ページ: 41802-10809
10.1021/acsami.0c13213
Physical Review B
巻: 101 ページ: 174405 1-8
10.1103/PhysRevB.101.174405
IEEE Transactions on Magnetics
巻: 56 ページ: 4300205 1-5
10.1109/TMAG.2020.2987288