研究課題/領域番号 |
18H01863
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発 (2019-2021) 株式会社豊田中央研究所 (2018) |
研究代表者 |
杉山 純 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発, 中性子科学センター, 特任研究員 (40374087)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ミュオンスピン回転緩和 / イオン拡散 / 界面 / 空間電荷層 |
研究成果の概要 |
多くの電池材料内でのLiイオンの動きやすさを示す「拡散係数」を評価できるのは、ミュオン素粒子を利用したミュオンスピン回転緩和(μSR)法である。本研究課題では、全固体電池の固体電解質と電極の界面に形成が予想される「空間電荷層」をμSRで検出することを試みた。その結果、空間電荷層は仮に存在しても、その厚さはミュオンビームの深さ方向分解能以下、具体的には10nm以下だった。 μSRによる拡散係数測定の際の高温でのミュオン自身の拡散の有無を、負のミュオン素粒子を用いて検証した。オリビン構造とスピネル構造の正極材料については、400K付近まではμSR測定の際の拡散種はLiイオンだった。
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自由記述の分野 |
固体化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミュオン素粒子を使って、固体電池の電極と電解質の境界領域を調べた。境界付近に存在が予想される異常層は検出されなかった。仮に異常層が存在してもその厚さは極めて薄い(10 nm以下)と考えられる。これは全固体電池の界面を従来の電気化学的測定で観察する、あるいは電子状態計算で界面層厚さを予測する際に、初めて与えらた定量的な上限値である。これを基に、解析と計算予測がさらに進展し、良好な全固体電池の実現につながると期待される。
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