本研究のFeSe薄膜のトンネル分光測定技術により、抵抗測定による超伝導転移温度と超伝導ギャップを直接比較することが可能となった。これまで報告されている単層FeSeの超伝導転移温度は40Kである。一方、分光学的手法によるギャップ測定では65Kの転移温度に相当する超伝導ギャップが測定されている。しかし、これらは同一試料・条件で行われていないため、超伝導発現機構が未解明である。本手法を用いることで、単層高温超伝導相の物理的描像の理解が進むと期待される。また、InSeにおいては、1.2eVから3.2eVまで広い範囲でバンドギャップを制御することができるため、広帯域の光電子素子としての利用が期待される。
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