研究課題
本研究では、エピタキシー技術によるルテニウム酸化物超伝導体の実現と薄膜・接合を利用した超伝導状態の解明を目的としている。ルチル型酸化物RuO2は非常に伝導度の高い金属であり、電極・温度計・触媒等の様々な用途に利用されてきた。さらに近年、本物質は、高い秩序温度をもつ反強磁性体並びにトポロジカル線ノード半金属の候補物質としても注目を集めている。分子線エピタキシー成長によって高品質なRuO2単結晶薄膜を様々な基板上に作製し、基板からのエピタキシャル歪みを制御することで、Tc = 1.7 Kの超伝導の発現に成功した。超伝導転移温度と格子定数変化の関係を系統的にマッピングすることで、特定のRu-O結合が短くなることで超伝導が発現していることが明らかになった。本結果は、このような単純な遷移金属酸化物においてエピタキシャル歪みが超伝導の開拓に極めて有効であることを強く示している。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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