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2020 年度 実績報告書

層状BNを用いた大面積可能な金属基板、ガラス基板上へのGaN系デバイス成長

研究課題

研究課題/領域番号 18H01886
研究機関弘前大学

研究代表者

小林 康之  弘前大学, 理工学研究科, 教授 (90393727)

研究分担者 岡本 浩  弘前大学, 理工学研究科, 教授 (00513342)
中澤 日出樹  弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (90344613)
小豆畑 敬  弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (20277867)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード窒化ホウ素 / 分子線エピタキシー / ガラス基板
研究実績の概要

研究代表者らは、2012年に六方晶窒化ホウ素(h-BN)が、サファイア基板上GaN系デバイス構造のバッファ層として機能するのみならず、機械的転写の剥離層としても機能することを発見した。本研究の目的は、上記発見におけるh-BNのバッファ層としての機能をさらに発展させ、デバイスの大面積化が可能な金属基板、ガラス基板上に単結晶h-BN薄膜を成長し、さらにその単結晶h-BNバッファ層上にGaN系デバイス構造を分子線エピタキシー(MBE)法により成長することである。
当該年度、ガラス基板上に成長したh-BN薄膜の膜厚を、X線反射率測定と触針式表面形状測定器により評価し、ガラス基板上に膜厚1 nmから60 nmのh-BN薄膜が成長していることを明らかにした。ガラス基板とh-BNの密度が近い密度であるため、ガラス基板上のh-BN薄膜の膜厚評価が困難であったが、触針式表面形状測定器とX線反射率測定を組み合わせることにより、厳密な膜厚の評価が可能となった。
ガラス基板上h-BN薄膜上にGaN薄膜を成長する際、AlNバッファ層が必須となるが、当該年度そのAlNバッファ層の成長において、III族原料断続供給法を適用し成長したAlN薄膜は、Al-N同時供給により成長したAlN薄膜と比較して、その表面平坦性、c軸配向性が著しく向上することを見出した。また、サファイア基板上AlN/h-BNバッファ層を用いたGaN薄膜成長において単結晶GaN薄膜成長を実現し、そのサファイア基板とGaN薄膜のエピタキシャル関係を解明した。サファイア基板上にMBE法によりAlN/h-BNバッファ層を用いて、単結晶GaN薄膜のエピタキシャル成長を実現したのは初めてであり、本知見を活かしてガラス基板上AlN/h-BNバッファ層上単結晶GaN薄膜成長を実現する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度、ガラス基板上h-BN薄膜の膜厚を、X線反射率測定と触針式表面形状測定器により評価し、厳密に求めることができたためと、ガラス基板上h-BN薄膜上にGaN薄膜を実現する際にAlNバッファ層の高品質化が必要不可欠だが、III族原料断続供給法により、表面平坦性とc軸配向性に優れたAlNバッファ層の成長に成功したためと、さらにサファイア基板上にAlN/h-BNバッファ層を用いて、MBE法を用いて、初めてサファイア基板上AlN/h-BNバッファ層上にGaNエピタキシャル成長に成功したため。

今後の研究の推進方策

2020年度に、ガラス基板上h-BN薄膜の膜厚を求めることに成功し、またサファイア基板上にIII族原料断続供給法によりAlNバッファ層の高品質化に成功し、サファイア基板上AlN/h-BNバッファ層を用いたGaN薄膜のエピタキシャル成長に成功した知見を用いて、今後ガラス基板上h-BN薄膜上にAlNバッファ層を用いて単結晶GaN薄膜成長を実現する。また、Cu基板上にh-BN薄膜を実現し、そのエピタキシャル関係を解明する。2020年度、MBE装置のロータリーポンプが故障し、またB供給用の電子銃も故障し、現在修理を行っている。安定してMBE装置と電子銃を稼働させることが現在最大の問題点であり、メンテナンスをタイムリーに行うことにより、MBE装置の安定的な稼働を目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] MBEによるAlN/h-BNバッファ層上GaN薄膜のエピタキシャル成長2020

    • 著者名/発表者名
      原田文矢、中澤日出樹、岡本 浩、廣木正伸、熊倉一英、小林康之
    • 学会等名
      2020年第81回応用物理学会秋季学術講演会

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公開日: 2021-12-27  

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