本研究では、新規な層状ペロブスカイト強誘電体および反強誘電体を発見した。これらの誘電性は、従来型のペロブスカイトとは異なる機構に基づく。反強誘電体は、パワーエレクトロニクスにおいて不可欠である高電場下での誘電率、電気エネルギー貯蔵、あるいは電気熱量効果などにおいて、強誘電体よりも優れた特性を示し得る。強誘電体では高電場下において誘電率が低下する。一方で、反強誘電体では、極性状態に転移する電場近傍で誘電率が非常に大きくなる。また、反強誘電体の電気エネルギー貯蔵量は、強誘電体に比べて約2倍の大きさになる。本研究で得られた反強誘電体の設計指針は、新規な反強誘電体の開発に寄与することが期待される。
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