研究課題
前年までに、カスケード波長変換の原理検証と光注入による発振閾値低下を明らかにしてきた。そこで本年度は、光注入型カスケード後進波テラヘルツ波パラメトリック発振を行った。カスケード波長変換を効果的に起こすためには後進波テラヘルツ波パラメトリック発振における逆向きに伝搬する光波の相互作用場を増大させる必要があると考えられる。そこで、励起光源を変え、励起光の時間幅を約1.4倍伸ばした0.84nsの近赤外パルス励起光を用いた新たな実験光学系を構築した。パルス幅の時空間長はニオブ酸リチウム結晶の物理長の約4倍に相当し、光波の屈折率約2.1を考慮しても十分長いパルス幅であった。実験を行った結果、3次のカスケード波長変換まで確認できた。最大励起強度はニオブ酸リチウム結晶の光損傷閾値によって制限されたため、光注入によって後進波テラヘルツ波パラメトリック発振の発振閾値低下を併せて行った。発振閾値低下によって光損傷を起こすことなく4次のカスケード波長変換まで確認できた。結果として、テラヘルツ波出力は100倍以上増大し、中心周波数約0.3THzで尖頭出力100W以上の出力を達成した。周波数線幅は10GHz程度であり、高輝度なテラヘルツ波出力を得られた。また、レンズで集光した場合、スポットサイズは直径約1.5mm(半値全幅)に集光でき、高ビーム品質なテラヘルツ波出力が得られた。この結果、非破壊イメージング応用において、波長限界に近い高い空間分解能でのイメージングが期待できる。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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APL Photonics
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Proc. SPIE 11499, Terahertz Emitters, Receivers, and Applications XI
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