研究課題/領域番号 |
18H01916
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大垣 英明 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (10335226)
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研究分担者 |
加藤 政博 分子科学研究所, 極端紫外光研究施設, 特任教授 (30185871)
静間 俊行 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 東海量子ビーム応用研究センター, 上席研究員(定常) (50282299)
早川 岳人 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 東海量子ビーム応用研究センター, 上席研究員(定常) (70343944)
豊川 弘之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (80357582)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | NRF-CT[ / LCSガンマ線 / 同位体 / 3次元画像 |
研究実績の概要 |
本年度は、研究実施計画に掲げた「前年度において、これまでUVSOR-IIIのBL-01Uに構築してきたレーザーコンプトンガンマ線ビームラインにおいて、波長1896nm、出力50Wのファ イバーレーザーとこの光学系の整備を行い、ガンマ線発生量を約10倍増強するとともに、ガンマ線最大エネルギーを5.52MeVに引き上げた。本年度は①このレーザーコンプトンガンマ線と、206Pb,208Pbの濃縮同位体ターゲットを用いて、同位体CTの2Dイメージの取得を行う。②高分解能が短時間で取得可能な通常のガンマ線CT画像と、同位体CT画像との重ね合わせ法を開発し、③空間分解能2mmの同位体CT画像の再構成を目指す。」に従って、①昨年度までにUVSORのLCSビームライン(BL1U)に整備した、波長1896nm、出力50Wのファイバーレーザーシステムを用いて、2次元NRF-CT画像の取得を行った。ターゲットにはこれも鉛の同位体であるPb-206(高濃縮)とPb-208(高濃縮)のロッドをアルミのホールダーに挿入したものを使用し、③2mmピクセルサイズのPb-208のみの選択的なCT画像の取得に成功した。 更に、②短時間で取得可能な通常のガンマ線CT画像と、同位体CT画像との重ね合わせ法の開発のために、LaBr検出器を用いて、CTターゲットを透過するガンマ線のCT画像を1mmピクセルで取得した。これにより、短時間で更に高分解能のNRF-CT画像が取得可能と考えている。 また、最終目標である3次元NRF-CT画像の取得の予備実験として、通常の3次元CTをLaBr検出器を用いて取得した。この情報を元に、2020年度において3次元NRF-CTの取得を、鉛の同位体であるPb-206(高濃縮)とPb-208(高濃縮)からなるCTターゲットを用いて行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のように、本研究課題の目標は「①LCSγ線の強度を10倍増加し、②実際に鉛の同位体(206Pbと208Pb)を用いて、③原子による散乱や、CTイメージを再構築するアルゴリズムに関して研究を行い、④同位体CTの高分解能化(目標2mm)を行う。」であり、3年計画の2年目に既に、①、②、④に関して達成している。
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今後の研究の推進方策 |
これまで、順調に研究は進められており、最終年度の2020年度においては、3次元NRF-CTの取得を、鉛の同位体であるPb-206(高濃縮)とPb-208(高濃縮)からなるCTターゲットを用いて行う予定である。これまでの結果から、現在利用できるLCSガンマ線とNRF-CT法のみでは、3次元CT画像の所得には1か月以上のマシンタイムが必要であり、現実的ではない。このため、3次元透過ガンマ線CT画像との組み合わせて、3次元NRF-CT画像を取得することを計画している。
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