研究実績の概要 |
これまでの研究成果に基づき,n-ドデカン120 mlに対して12 mlの界面活性剤(第一工業製薬製NL-15)と0.2 wt%CNF懸濁液及びNaCl水溶液(0, 100, 500,1000, 2000, 4000 mM)をそれぞれ20 ml混合し,ホモジナイザーで攪拌してW/Oエマルションを生成した。フェノール硫酸法による分析と粒度分布測定の結果から,生成したW/Oエマルションは全てCNFを含有し粒径が1μm以下であることが確認できた。また,1 wt%のPVA(日本合成化学工業製GL-15及びGH-17R)を溶かした上記濃度のNaCl水溶液に,体積がその半分の同塩濃度で生成したW/Oエマルションをホモジナイザーで攪拌しながら滴下してW/O/Wエマルションを生成した。フェノール硫酸法による分析と粒度分布測定の結果から,GH-17Rを用いて生成したW/O/WエマルションはCNFの含有を明確に確認できなかったが,GL-15を用いたW/O/Wエマルションは,塩濃度が4000 mMの場合を除いてCNFを含有し粒径が1μm以下であることが確認できた。以上より,CNFナノ粒子の生成と生成条件の確認ができた。 次に,ガラスビーズを焼結して浸透率が約100 mDと1400 mDのコア試料を作製し,CNFナノ粒子の圧入試験を実施した。その結果,両試料ともCNF懸濁液はCNFの目詰まりにより圧入できないが,CNFナノ粒子にすると圧入できることが確認できた。 なお,SPMを導入して生成したCNFナノ粒子の状態、CNFナノ粒子のサイズ、CNFナノ粒子同士の相互作用の観察を試みたが,CNFナノ粒子を明瞭に観察することができなかった。これについては観察技術の確立も含めて次年度以降の課題とする。
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