半結合はラジカル(カチオン)において3電子を2個の原子が共有することにより生じる非古典的共有結合であり、その放射線化学や生化学における役割が強い興味を集めている。本研究では、硫化水素が形成する半結合に対する溶媒和を影響を気相モデルクラスターの赤外分光により調べ、半結合が水分子によるミクロ溶媒和に対しては安定であるが、よりプロトン親和力の大きなアルコールでは1分子の付加により半結合が破壊されることを見いだした。さらに、硫化水素とベンゼンのパイ電子との間に新しい種類の半結合が形成されることを明らかにした。この半結合は密度汎関数の有効性を検証するための良いベンチマークであることを示した。
|