電極反応は,反応生成物の電気二重層内の拡散や吸着など複数の素過程から成り,電極反応のメカニズムを理解するためには静的な構造だけでなく,動的な構造変化を追跡する必要がある。本研究では,ダイナミクスを追跡するための新たな手法としてレーザー加熱誘起法によりPt(111)電極界面に形成される電気二重層内の水分子に関して,過渡電位・電流変化および時分割赤外分光測定を行い,熱的誘起による界面水の配向変化を観測した。また,Au(111)電極表面に吸着したヨウ化物イオンの吸着平衡における揺らぎ構造についてX線光子相関分光を用いて観測し,走査型トンネル顕微鏡で観測される吸着層欠陥との関係を明らかにした。
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