これまで申請者は、従来の第一原理計算だけでは取扱えない水素原子核自身の量子力学的振舞いや陽電子・ミューオンを含む化合物を研究対象とするために、量子多成分系分子理論を独自に開発してきた。本研究課題では、より実構造に近い理論計算を実現するために、申請者が開発してきた量子多成分系分子理論手法を高精度化し、かつ周囲環境を適切に取込む、(1)多階層量子多成分系理論の高度化である。それにより、水素・陽子が関わるプロトニクスや陽電子が関わるポジトロ二クスといった技術に対して、可能な限り実構造に近い、量子水素系、陽電子系の高精度・大規模計算を実現した。
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