分極反転を伴う強誘電転移、結晶内でのプロトン移動に基づくイオン伝導、結晶内でのトポケミカル反応による絶対不斉合成、固相フォトクロミズムなど、結晶内のイオンや分子の動的過程に着目した機能開拓は極めて重要な科学技術分野を形成する。これら機能の発現には、結晶内において分子やイオンの動的な空間を確保する必要があり、物質開発のネックとなっている。本研究は、フレキシブルな超分子構造を利用して、動的空間を有する分子集合構造を結晶内において自在に構築し、結晶の対称性と結晶内での分子の動的過程を制御すできることを示した。本手法により、誘電性・磁性・光機能等、多様な物性・機能を開拓することが可能となる。
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