本研究では「立体選択的有機合成手法を駆使して『キラルな遷移金属錯体をエナンチオ選択に合成する手法』の開発」を目指した。本研究で合成対象とするのは「不斉触媒/不斉配位子/不斉試薬として利用可能な遷移金属錯体」である。「遷移金属錯体の精密合成」には、均一系遷移金属触媒反応を主軸に、必要に応じて量論的な不斉合成プロセスも利用した。具体的には、以下の項目を検討した。① 面不斉フェロセンを基盤とする新規ホスフィン-オレフィン配位子の合成と応用、② 面不斉フェロセン縮環ホスホン酸のエナンチオ選択的合成法の開発と応用、③ 面不斉ビニルフェロセン類のホモメタセシス二量化/速度論分割反応の開発。
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