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2019 年度 実績報告書

チェーンウォーキング機構を基軸とした離れた位置での連続的結合形成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18H01985
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

河内 卓彌  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (70396779)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードチェーンウォーキング / 遠隔位連続結合形成反応 / パラジウム触媒 / 環化反応 / ジエン
研究実績の概要

我々は1,10-フェナントロリン型配位子をもつパラジウム触媒を用いたチェーンウォーキングを経る1,n-ジエン類のヒドロシリル化環化反応を開発してきた。前年度にはヒドロホウ素化環化反応の検討を主に行ってきたが、この反応において収率の更なる向上が困難であったため、同時に用いる官能基化試薬についての検討を行った。その結果、当初予定していなかった反応試剤を用いた際に遠隔位への反応活性点の導入に伴う環化反応が進行することが分かった。また、反応基質の検討を行ったところ、アルキル基をもつ1,6-ジエン類を用いた際に遠隔位連続的結合形成反応が実現できることが分かった。本反応は、通常の環化異性化反応等の機構と同様の五員環形成過程の後、チェーンウォーキングにより金属を遠隔位に移動させてからσ結合メタセシスを進行させることで実現できていると考えている。一方、本反応の場合には、以前に我々が開発した反応とは異なり、環化過程より前にチェーンウォーキング機構を組み込むことが比較的困難であり、1,7-ジエンを用いた場合には五員環生成物の収率の低下が見られ、また、よりリンカー部位のメチレン鎖を長くすると更に収率が低下する結果となった。配位子としては、ヒドロシリル化環化の際に高収率を与えていた3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリンよりも無置換の1,10-フェナントロリンの方が収率よく目的物を与えることが分かった。溶媒としては、今まで用いていた1,2-ジクロロエタン、ジクロロメタンなどの含ハロゲン系溶媒よりも、シクロヘキサン等の低極性溶媒を用いた際に収率が向上した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していたヒドロボランを用いた反応における収率向上が困難であることがわかり、その後の検討で有用であることが分かった異なる反応試剤を用いて検討を行ってきたため。

今後の研究の推進方策

本検討で見出した反応試剤を用いた反応について詳しく検討することで、高度に官能基化された生成物の選択的合成法の開発を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Nondissociative chain walking as a strategy in catalytic organic synthesis2019

    • 著者名/発表者名
      Kochi Takuya、Kanno Shota、Kakiuchi Fumitoshi
    • 雑誌名

      Tetrahedron Letters

      巻: 60 ページ: 150938~150938

    • DOI

      10.1016/j.tetlet.2019.07.029

    • 査読あり
  • [学会発表] Development of Effective Strategies for Closure of Catalytic Cycles of Reactions via Palladium-Catalyzed Nondissociative Chain Walking2019

    • 著者名/発表者名
      Takuya Kochi
    • 学会等名
      The 20th IUPAC International Symposium on Organometallic Catalysis Directed Towards Organic Synthesis
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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