研究成果の概要 |
パラジウム触媒を用いたチェーンウォーキングを経る1,n-ジエン類の環化反応において、ジボロンやヒドロボランなどの官能基化試薬を用いることで、種々の「遠い位置」での連続的結合形成反応を開発した。特に、1,n-ジエン(n>6)とジボロンとの反応においては、離れた位置における3つの結合の連続的形成という前例がなく、かつ他の手法では原理的に困難な様式の反応の開発に成功した。また、あまり知見のなかったパラジウム-炭素結合とホウ素-ホウ素結合の形式的なσ結合メタセシスが、ジボロンを用いた反応の触媒サイクルの最終段階に含まれており、この過程が容易に進行することを示唆する結果を得た。
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