研究課題
二元系金属元素からなるPBAナノ結晶水分散液を用いてカーボンペーパー上に担持したFeNi-PBAナノ結晶が、アルカリ水溶液中で、加水分解し、特定のFe/Ni金属組成比で、FeNi layered-double-hydroxide (LDH) ナノ結晶に変化することを明らかにした。そのカーボンペーパー上のFeNi LDH ナノ結晶は、これまで様々な電極上・様々な金属組成で報告されたOER触媒と比較した結果、世界最高の機能を示すことが結論付けられた(最小のTafel slope、15.1 mV dec-1、過電圧300 mVで、最高のturnover frequency、1.58 s-1 と最大の mass activity、10600 A g-1)。この研究成果は、ASC Appl. Energy Mater.に掲載された。最終年度は、CoとMnの二元系金属元素からなるPBAナノ結晶水分散液を用いてカーボンペーパー上に担持したCoMn-PBAナノ結晶を400℃で加熱分解しCoMn複合酸化物に変化させた。この複合酸化物は、特定のCo/Mnの組成比において、低過電圧の優れたORR機能を示すことを明らかにした。また、回転ディスク電極を用いて、ほぼ4電子でORR反応が進行することを明らかにした。そこで、同じカーボンペーパー上に、CoMn-PBAナノ結晶から加熱分解したCoMn複合酸化物とFeNi-PBAナノ結晶から加水分解したFeNi LDHを共存させることで、OERとORRの両方の機能を示すbifunction触媒を作製した。従来、OER/ORR反応を繰り返えすことで、OER電圧ストレスによりORR触媒能が劣化することが知られていたが、本触媒系ではその劣化が十分に抑制できることを見出し、亜鉛-空気電池を作製した結果、良好に動作することを見出した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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ACS. Appl. Energy Mater.
巻: 3 ページ: 9040-9050
10.1021/acsaem.0c01439